コンディトライ・アン・マリーレ

ひとつ目に紹介するのは、2011年から大町市内に店舗を構える「コンディトライ・アン・マリーレ」のかき氷。大町産の甘酸っぱいイチゴを使った「夏秋（かしゅう）いちご」です。

コンディトライ (Konditorei) とは、パティスリーとカフェを併設した店舗のことで、店内には喫茶スペースとキッズコーナーが用意されています。「多くの人に気軽に立ち寄ってほしい」という店主の思いと、窓から見える大町らしい緑あふれる景色が魅力です。
アン・マリーレのコンセプトは「地産地消」。なかでも水は、日頃からゼラチンをふやかしたりコーヒーを淹れたりするのはもちろん、スイーツに使う果物や牛乳、そしてかき氷の氷など、素材の一つひとつを育む大切な資源です。

ふわっと軽くスッと溶けていく優しい食感のかき氷は、まるでパフェやケーキのように3層に分かれているのが特徴。ホワイトチョコレートを染み込ませたクッキーやサクッと軽い食感のメレンゲ、ふわふわの生クリーム、自家製のヨーグルトムースなど、いくつもの食感と味が楽しめます。こだわりは大町産のイチゴを使ったソースと、大町市で大正時代から続く「松田乳業」の牛乳を煮詰めて作った自家製の練乳。氷とシロップ、クッキーやムーズが絶妙に混ざり合い、最後までおいしく食べられます。大自然を間近に感じながら、旬の味をいただくご褒美のような時間。アンズや梅など季節の素材を使ったかき氷やドリンク類もおすすめです。

ねまるちゃテラス

次に紹介するのは、木崎湖のほとりにあるカフェ「ねまるちゃテラス」のハチミツを使ったかき氷です。

「ねまるちゃ」は富山県の方言で、「座ってくつろぐ」という意味の言葉。大町市出身で、幼い頃から水のある景色に親しみながら大きくなったという店主は、冷たくて甘くて飲みやすい大町の水が大好きだったそう。「おいしいものと木崎湖らしい風景をゆっくり座って楽しんでほしい」との願いから、2018年にカフェをオープンしました。
かき氷自体はオープン当初から人気を集める夏の定番メニューですが、今回紹介するのは、店長自ら採取にも携わるという地元のハチミツを使ったかき氷。材料は大町産の水と氷とハチミツだけ、というシンプルさで、素材のおいしさをダイレクトに味わえるのが魅力です。

新雪のようにふわふわな氷は、口に入れた瞬間なくなる細やかで柔らかな仕上がり。シロップに使うハチミツは、美麻地域や白馬村などで集められた百花蜜で、大きな不純物だけを取り除いた非加熱・無加工のもの。口に入れた瞬間、パッと華やかな香りが広がります。生産者の顔が見える素材を使うのもこだわりで、もうひとつあるハチミツのかき氷「ハチミツレモン」は、小豆島の農家さんから直接仕入れた国産レモンを使っているそう。五感を使って環境丸ごと味わいたい、そんな優しいかき氷です。
外にはテラス席もあり、愛犬と一緒の利用が可能。お食事を楽しんだあとは、湖のまわりをのんびりお散歩もおすすめです。

Cake&Cafe 立田屋（りゅうだや）

最後に紹介するのは、1870年から店を構える「Cake&Cafe 立田屋（りゅうだや）」のイチゴのかき氷。創業当初から変わらぬ味を届け続けるまちの洋菓子店で、ショーケースには、彩り豊かな果物を使ったメニューがずらりと並んでいます。
「大町市は果物がたくさん採れる地域ではないからこそ、誰でも気軽に果物を食べられるようにしたい」という店主。楽しい団らんの時間や、嬉しいお祝いの瞬間に寄り添えるように。そんな「みんなの記憶から選ばれる店」が立田屋のコンセプトです。

かき氷をはじめたのは昨年から。ケーキ屋だからこそ作れるかき氷を考え、飽きることなく、最後まで1人で食べ切れるサイズや味を意識しています。真夏はイチゴとマンゴーの２種類をベースに爽やかな味わいを、初秋にかけてはキャラメルとリンゴなど、季節感を取り入れて展開していく予定とのこと。ふわっとシャリと細かく削った氷が、得意の果物と素敵にマッチします。

写真のイチゴのかき氷は、大町産の夏秋イチゴをたっぷり使ったシロップと練乳がとろり。この時期採れるイチゴならではの程よい酸味とフレッシュな香り、プチプチした食感がたまりません。氷のなかにはココナッツムースやパンナコッタ、杏仁豆腐などいろんな味が隠れているので、親子や友だち同士など、みんなでワイワイ食べるのも楽しそう。
確実に食べたい場合は、事前に問い合わせておくのがおすすめです。